◎夏の思い出3 現代のスタンドバイミーはなぜ成立しなかったのか
みなさまこんばんは。
夏の思い出3連発、今回が最後になります。
実はこの夏休みのはじめ、娘たちを誘い、スタンドバイミーという映画を観ました。
ちょうど上の娘がスタンドバイミーの登場人物と同じ年齢だったからです。
この映画、ホラーの大御所 スティーブンキングの小説が原作です。
それぞれ家庭に問題を抱える12歳の男の子4人が、列車の轢死体が放置されているという噂を聞き、死体探しの旅に出る。
ざっくり言ってしまえば2行で終わってしまうストーリーです。
ですが、その旅を通じ間違いなく子どもたちは成長します。
名セリフといわれているのは
「私は自分が12歳のとき以上の友人に出会ったことはない。
誰でもそうではないだろうか?」
みなさんはいかがでしょうか?
娘たちは、パイの大食い競争あたりでリタイア。
結局最後まで観たのは私だけでしたが、どうにも切なく、やるせなく、そして戻りたくても戻れない12歳の夏を思ってたまらない気分になりました。
私にとって少し特別な映画です。
登場人物である4人の12歳の男子たちは、
出来が良く、同時に自分の理解者である兄を交通事故で亡くし、母親に「お前が死ねばよかった。」と言われ、心に傷をもつ主人公をはじめ、全員が家に居場所がないようなところがあります。
強がって煙草を吸ったりしていますが、みんな体がきゃしゃで、その顔もあどけない子どもです。
違いますけど、少し似ています。
今年の夏、私にとって、とてもつらい事件がありました。
寝屋川の中学1年生 死体遺棄事件です。
娘が同じ学年だからか、他人事とは思えませんでした。
またあんな残酷なことをできる人が、世の中に存在するということもショックでした。
そのようなにお感じの方、全国にたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
あの時間の外出を許すことは、多くの中学1年生の親には考えられないことですが、
中学1年生が家を出たくなることは、ままあることだと思います。
遠い昔の話ですが、私も家を出たいと思ったことはありました。
3姉妹の末っ子、みそっかす扱いでしたから(笑)
それはさておき、大人に反抗する気持ちを持つのは12歳の正常な反応です。
たらればの話ですが
もしかしたらあの寝屋川の二人は、その後、周りの人の心配の気持ちを知り、大きく成長したかもしれません。
別の映画、「小さな恋のメロディ」やベニスに逃避行する「リトルロマンス」になっていたかもしれません。
そして大人になってから、「馬鹿やってたなあ。でも一生懸命だった。」
と特別な思い出として残ったかもしれません。
二人の行動は褒められたものではありませんが、その家出を成長の糧にしてほしかった。
ですが大人の悪意が最悪の形で二人の逃避行にピリオドを打ちました。
今回の事件はなぜ起こったか。
それはいろいろな人のいろいろな怒りが絶妙に絡まったからだと思います。
中学一年生の怒り
家族それぞれの怒り
加害者の怒り
だとしたら私ができること。
私には夜回り先生はできません。
ですが、アンガーマネジメントを伝えることはできます。
怒りを弱いものに向けないように、怒りを大事な人に向けないように、
怒りを前に進むパワーに変えられるように。
これからも伝え続けようと思います。
今年の夏はいろいろなことがありました。
楽しいことも、大変なことも、つらいこともありましたが
とにかく
できること以上のことはできませんが、
自分のできることはやって行こう。という思いを再確認した夏でした。